極度の緊張状態のまま初投薬

40代まで薬剤師未経験だった私の働き始めた様子について、引き続き、恥を忍んで書きます。

そろそろ患者さんが来ると言われ、私は、緊張しすぎて頭の中は真っ白でした。
それでも、準備は万端でした。

次第に、早く来ていただいて投薬を終わらせたい気持ちも強くなってきてました。
まずは初投薬として1人目の方を済ませたら、私の気持ちは少し落ち着くのではと思ったのです。

あれこれ考えを巡らせ落ち着かない気持ちでいると、ずっと待っていた○○さんがいらっしゃいました。

薬局長や事務の方と一緒に「こんにちは!」とご挨拶。
この挨拶で、少し気持ちが落ち着きました。

他に患者さんはいなかったので、早速、○○さんへ薬を渡すことになりました。
既にチェック済みとはいえ、もう一度、処方箋と薬が合っているか注意深く確認し、念のため薬局長も、もう一度チェックしてくれました。
○○さんは、長年同じ薬を服用していて、今回も同じ薬でした。

「○○さん」と呼ぶと、○○さんがカウンターのほうへ来られました。

説明するため、○○さんの前に薬と薬情を並べました。
用法容量を説明しなくてはと思っていたのに、なかなか言葉が出てきません。
あれ?普通に説明すれば良いだけなのに何で?
目の前には○○さんが立っています。
待たせちゃいけない、スムーズに話さなくては、と思った瞬間、頭の中が真っ白になってしまいました。
薬の種類が多いわけではないのに…。
「えっと・・・」

薬局長が、さっと私の隣に立ち、「いつもどおりのお薬ですね」と、○○さんに笑顔で話しかけました。
○○さんも笑顔で、「はい、そうです。」
薬局長「何か気になることは有りますか?お変わりありませんか?」
○○さん「特に何もありません」

こんな感じで、○○さんと薬局長の会話は進み、最後にお会計というところで、
薬局長、苦笑いしながら、「どうもすいません。今日が初めての投薬なもので。」
○○さん、笑顔で、「いえいえ。これからもよろしくお願いしますね」

私、「本日のお会計は、○円になります。」
と言ったものの、今度はレジスターの操作がうろ覚えで、そこでまた薬局長に助けてもらいました。

そして最後に、○○さんが薬局を後にするのを、薬局長や事務の方と一緒に「お大事に」とお見送りしました。

取りあえず、私の初投薬終了となりました。
が、こんなの投薬じゃない。
何も投薬できてないことにショックで、うつむきっぱなしでした。
薬局長が投薬している横にただ立っていただけの私・・・。

そんな中、自分のダメっぷりを実感しショックに打ちひしがれながらも、次は今より少しでもマシになるよう頑張ろう、心の中でそう思いました。

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